日本版science2.0サイトを立ち上げよう!プロジェクト発足

science2.0という取り組みがある。
wikiSNSを使い、閉鎖的なアカデミック業界を打破しよう、というプロジェクトである。
詳しくはこの辺りを。
以下、メリット、デメリットなどを織り交ぜつつ企画書。
先行サイトであるopenwetwareはあるが、大半の日本人には敷居が高いんじゃないかと思い。(えぇ、英語苦手ですみませんね!)
賛同者はゆんゆんまで。

企画名:サイエンス2.0

立案者:ゆんゆん

コンセプト:ルネサンス時代の「サロン」をweb上で復興する。

ゴール:閉鎖しきった科学業界を打破し、openなコミュニケーションの取れる科学コミュニティを創造する。

背景:科学業界、とくに競争の激しい医薬、生物系分野は非常に閉鎖的である。この原因は、査読付き論文、特許しか業績とならない体質にある。誰よりも早く成果を出さなければならないという強迫観念が秘匿主義となり、周囲の研究者(違うラボの人)には進捗や失敗例が全く分からない状況となる。よって同じテーマを行っているラボは「協力者」ではなく「ライバル」という位置づけになり、重複した実験や失敗を繰り返す事となる。
これはコスト的に見ても、時間的に見ても非常に非効率的である。
科学は実験からではなく、実験について議論するところから生まれる。コミュニケーション不足で切磋琢磨されない業界は進歩が遅い。
また一般人もこの閉鎖的な科学界に嫌悪感、不信感を抱くこととなり、結果科学離れが促進されてしまっているという面もある。

解決策:ネットで自身の研究を公開し、広く議論できるコミュニティを形成する。誰もが編集可能なwiki pageを作成し、自分の進捗状況、失敗例、アイデアを逐一書き込んでいく。
メリット:
・ 研究室独自のプロトコル、失敗例が集約される事で、同様の実験を後から行う人がスムーズに行うことができる。
・ 自分が行った実験のlogを残せる。スパンの長い実験の場合、論文になるまでに長い年月がかかる。論文という形にはならなくても、自分のwiki pageを見せる事で成果を主張する事ができる。
・ 実験だけでなく、論理的思考、アイデアのlogも残せる。自分の頭の中を見せる事で、研究者として優秀な事をアピールできる。
  →履歴書としてのブログ作り。
・ アイデアの先取権の主張が容易。Openなwebに自分のアイデアを載せる事に抵抗があると思うが、むしろ逆である。Wikiを更新すると自動的に更新日時が記入される。またbackupも自動的に取られる。これらの情報は原理的に改ざん不可能である。アナログな実験ノートの場合、そこまで厳密な主張はできない。
・ 研究計画、アイデアの議論が洗練される。自分のアイデアに対して多くの人から批判、提案が寄せられる。異分野研究者からの新しい視点により優れた知見が得られるかもしれない。研究機器やスペースの問題で自分のラボでは行えないという問題点を書くと、共同研究をもちかけられるかもしれない。
パラダイムシフトが起きやすい。査読付き論文は数人の査読者によって行われる。査読者も人間である。自説(時流)に沿った論文は通しやすいし、異論は認めがたい。よって真理を突いている異端の論文が日の目を見るまでに時間がかかる。政治ゲームも繰り広げられている。Openな場の場合、アイデアは自由に出せるし、それを閲覧する人も多い。違う立場の人達がそれぞれコミュニティを作り、反証を繰り返す事で真理までの到達が容易になる。
・ 捏造が難しい。「目玉の数さえあれば、どんなバグも深刻ではない。」webにdataを置くということは、原理的に査読者(閲覧者)が無数であることを意味する。従来の、数人の査読者のチェック機構に比べると、どれだけ捏造が難しいか容易に創造する事ができるであろう。
    etc…etc…

デメリット:
・ 情報がまとまりきらずに、玉石混淆とならないか。→検索の向上。
・ 個人情報、所属の保護。エントリに書く事での危害をどこまで減らせるか。
・ 指導教官の同意を得られないまま、勝手にUPはできない・・。どこまでが秘匿でどこからopenが可能かを明確に。説得する。

運用資金:
(1) 広告:研究試薬会社、研究機器会社、出版会社などから広告バナー代をもらう。(できれば広告収入に依存したくはない。)
(2) 寄付:wikipediaも寄付で成り立っている。が、長期的な存続を目標にする場合、これも現実的ではない。
(3) ルネサンス時代を踏襲して「パトロン」を呼ぶ。(ロレンツォ・デ・メディチボッティチェリミケランジェロなどを支援した事で有名。)不景気が叫ばれているが、「お金はあるところにはある。」パトロンは自分の目にかなった研究者に自由にお金を配分する。研究者はパトロンにお金をもらえるように自分の成果をwiki上で発表する。現実にプレゼン大会を開催するのも面白いだろう。お金をもらった研究室は、その後進捗報告を随時行う。特許や製薬に結びついた場合のお金や権利の配分を事前に定めておく。
(4) 企業基金。行う事はパトロンと同じ。研究者は自由にお金を使う事が出来る。かわりに研究者は論文を投稿する際、acknowledgeに企業の名を入れること。単純な広告に比べて、費用対効果は抜群。
(5) 分割基金。一人ではパトロンほどお金は持っていない、かといって企業も持っていない、という場合、皆でお金を出し合って(一口数万円)、研究者に投資する。収入が出た場合、皆に配分する。

具体的な戦略:
全くの未定www