身一つで生きるということ。

ちょっと普段のエントリとは毛色が違うけど、人生論を。


適切なカロリー制限をすることが、長寿で健康に生きる最大の秘訣である。このことは現代科学で証明されている。一方のマウス群は食餌を食べ放題に、他方のマウス群には適切な量だけの食餌を入れ飼育した場合、後者の方が有意に長生きする。細胞を観察しても、老廃物の蓄積が少ない。また、代謝促進に関わる受容体のノックアウトマウスが顕著に寿命が延びる事が知られている。つまり、代謝回転それ自体が体に負担をかけているのである。


生物は飢餓には強いが飽食に対しては対抗策を持たない。飢餓状態時に発現し生命維持に奮闘するタンパク質は数多く存在するが、過剰な糖摂取に対するホルモンはインスリンしかない。飽食は体に余計な負荷をかけるだけである。


これはカロリーだけにあてはまる問題ではない。富、名誉、名声、これらのものを出来るだけ多く持ちたいという欲求は誰もが持つものである。しかし一度それを手に入れてしまうと、ヒトはそれに縛られ生き辛くなる。富を追っていたはずが富に追われる人生に変わる。


あなたが求めている富は本当に必要なものですか?
あなたはその富を手に入れて本当に幸せになりましたか?


自分相応な富を見極め、過剰な富は思い切って捨てる勇気を持つ事こそが今の世の中必要なのであろう。この精神を忘却してしまっていることが、「貧困(新困)」を生み出している根源であると私は思う。


より多くの富を持つ事がすなわち素晴らしい人生であるという、拝金主義的風潮を変え、過剰な富を捨て身一つで生きるという生き方も肯定される世界の構築に向けて動き出さなければいけない。