【書評】千里の道も一歩から〜LIVE HACKS!〜

LIVE HACKS! [ライブハックス!]

LIVE HACKS! [ライブハックス!]

CHAPTER1 最優先課題を知る…自分の「時間畑」を知る
CHAPTER2 時間の使い方を改める…自分の「時間畑」を耕す
CHAPTER3 望ましい行動を植え付ける…自分の「時間畑」にタネをまく
CHAPTER4 「備え」を厚くする…自分の「時間畑」に肥料を与える
CHAPTER5 成功を繰り返し再現する…自分の「時間畑」から収穫を得る

ライフハックサイトでお馴染みの"シゴタノ!"の管理人である大橋悦夫さんの著書。
自己啓発本を読んでも「いいこと書いてる!心に響く言葉が目白押し!だけどそれだけでお腹いっぱいになって自分の生活には何も生かされないorz」ということがよく起こりうる。
要は、理想像は思い描けるけどそこに至るまでの道筋が分からない、自分の生活に落とし込むことが困難、ということなのである。読むだけで問題点を解決してくれるような魔法の本は存在しない。自分の生活に生かせてはじめて「読了」となる。
ライフハック本は本棚に山積みだけど、生活何か変わったかなぁ?」というそこのあなた!本書をお勧めします。


本書においては、上記のような心配は無用。その理由は本書の構成にある。

・CHAPTER内の項目は全て疑問文で始まる。
・読者はその疑問文に答えることで自ずと自分の生活の問題点を理解することとなる。
・項目内にてその疑問を解決すためのTipsが紹介される。
・項目の最後でそのTipsを自分の生活に落とし込んだ場合どうなるか、強制的に答えさせられる。

この構成がQ1からQ34まで続く。読者は疑問文に答えるだけで自分の生活の問題点が浮き彫りとなり、その解決策を学ぶことができる。


正直書いている内容にそれほど目新しいものはなく、常識的なものが並んでいる。
しかしだからこそ毎日の生活に応用することが可能となり、生活の根幹を改善できる。
何事も基本からである。わざわざ奇を衒った小技を駆使する必要はない。


本書で最も心に残ったところを抜粋。

・寿命の続く限り毎日欠かすことなく新鮮な「時間畑」が送られてくる。
・一日の終わりになると使い切っていなくても「時間畑」は消滅する。

人類皆平等に与えられる24時間。無為に過ごそうともペナルティが与えられるわけではない。
しかし、一日を有効に過ごした人と無駄に過ごした人では数ヵ月後、数年後に大きな差が現れることとなる。
真綿でじわじわ首を絞められるように、時間の使い方のちょっとした差がじわじわと積み重なっていく。


今理想像を見上げるとあまりにも高く、到達することなんて不可能なんじゃないかと絶望する気持ちが湧き上がってくる。しかし「千里の道も一歩から」である。日々のちょっとした積み重ねにより、人生はもっとよりよいものになる。

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本書を読んでから、某所にて毎日簡単な日記をブログるようになった。
単に「今日のタスク、明日のタスク、今日思った一言」をつづるだけである。5分もあれば書ける。
今日しなければならないタスクを書き出してみると、ホントにやらなければならないタスクは実はそんなに多くない事に気づかされる。漠然と仕事量を考えると忙しそうな気がして一日をそのタスクに費やしてしまうが、実状はそんな事はない。やるべき仕事をちゃちゃっと終わらしてしまい、残りの時間を「備え」にまわすことが若干ながら可能になった。
時間・仕事術を学びだしたのはつい最近。まだまだ改善点は多い。この調子で実生活を見直していきたい。